研究に使用する新しい系統が来た
全く更新しておりませんが、研究(の準備)は進んでおります。今日は自然科学研究機構基礎生物学研究所から、研究で使用するメダカの系統が届きました。とても、対応が早くて驚いたのと、少し質問をしたら、大御所の成瀬先生自らにお答えいただき恐縮でした。入手したのは推薦いただいた2系統、一つ目はIBR178 HdrR-II1という系統で名古屋大学の山本先生の系統。こちらは南日本のメダカで、ゲノム解析されています。もう一つはIB833 Kagaと呼ばれる系統でその名の通り石川県で取られた北日本集団のメダカです。私が研究しようとしているのは改良された観賞用のメダカの品種で凄まじい数の交配が重ねられており、遺伝的バックグラウンドはぐちゃぐちゃである可能性があります。そこでまずHdrR-II1と戻し交配をして、原因遺伝子が南日本集団のHdrR-II1の上に乗った状態にしたのちに、遺伝学的に異なる北日本集団のKagaと掛け合わせ、HdrR-II1の部分と原因遺伝子座が連鎖する部分を見つけるという、きわめて古典的な遺伝学的手法です。今回はポジショナルだけで攻め切る気はありませんが、、、どちらの胚(受精卵)もStage20の後半に来ており、明日にでも孵化する個体が出るかと思います。
変異体の孵化
研究対象となる変異体についていただいたのは2ペア。このうち表現型がはっきりしているペアAとさほどはっきりしないペアBで先週より交配を重ねたところペアAからは2回、ペアBからは連日11回採卵することができました。
両ペアから得られた最初の卵が昨日、ハッチしました。定量的な解析はしていませんが、今のところ表現型ははっきりしていません。(成長に応じて現れることを期待しているのでそれでよい。)ただ、ペアBからの受精卵は分裂を始めるものの半数ほどが1-2日目のところで発生が止まります。はじめはDelayかと思いましたが完全に止まる致死です。ペアAからはそのような個体は得られませんのでそれぞれが違った遺伝背景を持っているのは明らかです。半数が死ぬというのはなかなかに難しい解釈で優性遺伝の場合は浸透率が100%であると親が発生しなくなるので、何らかの環境要因で致死性遺伝子の発現を免れたと考えるか、あるいは独立の劣性遺伝の致死遺伝子が二つたまたま重なっているかが考えられる事態と思いますが、いずれにしても、もうしばらくしたらペアの組み合わせを変えて交配するのでもう少しはっきりしたことがわかると思います。今最も重要なのはそれぞれのペアから生まれたF1のどれくらいが表現型を示すか(固定率)ということがまず解明しないといけない点となります。道はまだ長いね。
バッククロスの練習
練習用に初めて買った楊貴妃という写真のメダカがどんどん卵を産んで(毎日のように産む)、初めのころのは、いろいろ試して、死んでしまったりしていたのだが、それなりに次の世代も育ってきたのでどうしたものか。とりあえず、眼について成長の標本(正常対照)を作っていくのだけど、それもそこまでいらないし。練習のバッククロスを開始、ほかの色とかけて、その子をさらにほかの色とかける。その子供を楊貴妃とかけて、楊貴妃が出る子孫をさらにほかの色とかける。これを繰り返すと楊貴妃の色を決定する遺伝子以外は楊貴妃以外のゲノムと置き換わっていく。実際の研究ではほかの近交系とかけるのだが、とりあえず色を使って、やりやすい練習を。
近江まで行ってきました。
昨日、大変高名なメダカの育種家の先生を訪ねて、琵琶湖畔まで行ってきました。
いよいよ研究のための変異体を手に入れるためです。
非常に紳士の先生で、目的の変異体(品種)の歴史や特徴だけでなく、
メダカの改良や交配についていろいろと教えてくださいました。
まあ、いろんな品種があることあること。私の若い時のメダカとは
全く別な物でした。いや、とてもきれいでしたよ。
実際今すごい人気だそうで、盗難にあうことしょっちゅうだそうです。
(そのため、お名前は伏せていただきます。)
朝の10時に行って、お昼もごちそうになり(汗)
いろいろと見せていただいて4時まで、大変楽しい時間でした。
必要な品種だけでなく、いくつか持って帰りなさいと
きれいなメダカをいただきました。
帰って、セットしておいて新しい水槽にセットしました。
今日とりあえず落ちていなくて(無事で)ほっとしました。
給餌開始しました
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